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Home > なのフェイ中学生長編 > #2 ~ Innocence ~ 『 純真 』

#2 ~ Innocence ~ 『 純真 』



※オリキャラ出ます!苦手な方は注意。

ただし、間違ってもそのオリキャラが本編のキャラとカップリングを組むなんてことはないのでご安心下さいw














雨の降る音。
清々しく、心地の良い螺旋。

それは醜く絡み合い、奇怪な音を創り出す。


#2 < あめのおと >


不吉な雲が空を彩り、心に重く圧し掛かるようなどんよりとした何かが、支配する。
青く萌えた桜の葉が、その何かを伝えるように揺れ、不思議な音を奏でだしている。
私はそれの音と、前方から聞こえるなだらかな声の音色を同時に耳に焼き付けていた。

軽快なリズムのように読まれていく、ひとつひとつの語句が、私の心を揺らす。
それはあの葉のように、不思議な、とても不思議な音と共に。

「ふぅ…」

外が暗いためか、私の顔がいつもより鮮明にガラス窓に映りだされた。
私はそれから焦点を外し、その奥にある蒼とは違う空を眺めていた。

ふと、声の音色が途切れる。

気味の悪い色をした空から目を逸らし、私は前に居る彼女、なのはに視線を送った。
なのははそれに気付くこともなく、優雅に、無駄のない仕草で静かに座った。
私はなのはより後ろの席なので、当然といえば当然なのだが。
そう苦笑して、呆けていて溜まってしまった分の板書を始めた。

私は文系の勉強がてんで駄目なので、こういうところでさぼってしまうと、試験でとばっちりを食らってしまう。
なのはと一緒に試験勉強をすることになるのも、まあ、悪くはないとは、思うのだが。

なんて思ったりしたら、やはり彼女に迷惑だろうか?

なんてことを、ごちゃごちゃ考えているうちに、授業はいつの間にか終わってしまっていた。
鳴り響くチャイムを、頭の片隅で聞きながら、私はまた空を見て呆けていた。

「……ちゃん」

考えるのは、いつだって同じ人のこと。
笑顔と、空が、とてもよく似合う、彼女のこと。

「…トちゃん」

桜色の羽根と、光が、優しい温もりをもつ太陽みたいで。
それなのに、星や月のように、凛とした瞳。

「フェイトちゃん!」
「ほゎあ!!」

自分で発したにも関わらず、恥ずかしくなるような声を上げてしまった。
顔を上げると、先刻まで空に浮かべていたその本人が、私の机の前で仁王立ちをしていた。
その表情に、若干の怒りがあることが分かる。

「ど、どうかした? なのは…」
「何回呼んだと思ってるの?」
「ふぇ?」
「5回だよ、5回! それなのにフェイトちゃん、外眺めてばっかり!」

腕を組んで、いかにも怒っていますというポーズをとるなのは。
少し、可愛いなと思ってしまったことは秘密だ。

「え、あ…。ごめん」
「もう…。なにかあったのかって、心配しちゃったよ」
「なのは…」

なのははふうと一息吐き、やっとのこと顔を緩めて微笑んでくれた。
その顔はとても綺麗で、優しいもので。

「フェイトちゃんは、何でも一人で抱え込んじゃう癖があるから」
「それは、なのはも一緒だと思うけどなあ」
「うっ……。
と、とにかく! 何か迷いとかあったら、先ず私に言うこと。分かった?」

がしりと私の肩を掴んで、私の顔を覗き込むなのは。
言い方は強引にも感じるけど、その瞳からは心から私を心配してくれているんだっていうのが伝わってきて。

「…ありがと。なのは」
「うん。どーいたしまして」
「…ただし」

その言葉に、なのはがぴくんと反応する。
少し引き気味になった身体を逃がさないよう、目で訴えて、言葉の続きを言った。

「なのはも、悩みとかあったら、私に言うようにしてね?」
「え?」
「どんな些細なことでも、なのはが悩んだり、苦しんだりしているのを見ると、辛いから…」
「フェイトちゃん…」

ほわりとした顔を見せるなのは。
あ、どうしよう。この顔、あんまし他の人に見せたくないな…。

などと思っているときに限って、邪魔っていうのは入るもので。

「こんのバカップル!! 次の授業、移動でしょ! 二人とも遅れるわよ!!」
「いっ!」
「あいたぁ!!」

アリサが刀のように教科書とノートを使って私となのはを叩いてきた。
ぱーん、という、よく響く音を出したそれらは、すっぽりとアリサの腕に収まる。
アリサは呆れた顔で溜息を吐いて、くるりと踵を返して歩を進めた。

「あんまりボーっとしてると、置いてくわよ!」
「あ、ちょ、待ってよアリサちゃん!」

なのはが自席に戻り、次の授業の教科書やらノートを取り出す。
私も慌てて机を探る。
大体教科ごとにまとめてあるので、そんなに時間は掛からない。

「全く…。フェイトもフェイトよ。授業中はぼけーっとなのはの方見続けっぱなしで」
「ア、 アリサ!」
「ふぉえ?」

アリサの突然の言葉に、私は驚き、戸惑った。
あの時、私は本当になのはしか見えておらず、周囲の視線など二の次どころか百の次だったくらいだから。

「そうなの? フェイトちゃん」
「え、ち、ちが…!」

直ぐに否定しようとしたが、上手く言葉が出ない。
どうしたのだろう。

「えっと…。二人とも? 早くしないと、本当に授業遅れちゃうよ?」

はっと我に返ると、そこにはさっきより呆れた顔をしたアリサと、穏やかで、だけどどこか焦った表情のすずかと、爆笑してるはやてがいた。

「諦めときぃ、すずかちゃん。バカップルになに言うたって、耳には入らんよ」
「は、はやて!」

再び、笑い出すはやて。
私も、照れているのを隠すために怒ってはいたが、それにつられ、いつしか笑ってしまっていた。
見ると、溜息混じりにだが、アリサも笑っていた。
すずかも、そして、なのはも。

皆、楽しそうに、笑い合っていた。

こんな日常が、続けばいいのに。
そう、願った。

願った、瞬間。

それは、皮肉にも、壊れ去った。







悲しい旋律。

雨の音。






「―――!!」
「…今の…」
「うん…」


同時だった。

反応と、声と、そして、音。
大地に訪れた、純粋な雨が、鳴ったのは。


「…ごめん、アリサちゃん! 次の授業、欠席の連絡しておいてくれる?」
「はあ? なに、急に…」
「うちらのも。よろしゅうな」


嫌な、予感がした。
こういう予感ばかり的中するこの世界が、私はあまり、好きではない。

でも、その時はまだ、何も知らずにいたから。

世界の意地の悪さも、その意味も。
そして自分の、未熟さを。



「お願い、レイジングハート」
「行くよ。バルディッシィ」
「リイン、頼むで」
「はいです、マイスター」



この三人なら、なにが起こっても、きっと大丈夫。
そんな根拠の無い自信を、どこかで抱いていてしまっていたのかもしれない・


冴えない色の空が、警告のようにうねっているのを、見向きもせずに、飛び出した。













「いい、空だね。ねえ、そう思わない?」
「ええ…。とても、いい空だわ。私はこの空の色が、一番好き」
「そっか…。それじゃ、私は、この空へ嫉妬しないといけなくなっちゃうな」



天を仰ぐ瞳。
幸せそうな笑い声が、響く。

しかしそれはどこか寂しそうで、悲しそうにも思えた。


「…大丈夫だよ、リア。君は絶対に、私が助けてみせるから」
「…ありがとう、ソフィア。でも、気が引けるのも、確かね」
「分かっている…。リアは、優しいからね。
だから、私に任せてって言ってるんだよ。リアは手を汚す必要は無い」

「分かっていないのね…。だから、よ」



触れ合う、唇。

それは、儀式のように、貴い行為。



雨で濡れた顔。
それに伝う雫には、雨以外の水も混ざっている。


それはとても、悲しくて、それでいて、純真な水。






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