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Home > なのはパラレル長編 『七色の闇』 > #7

#7

ぶっちゃけ題名は自虐です。

さーてこの辺から本格的にぐちゃぐちゃしてきます。
絶対に回収出来ないのに無理に複線まいたりしてます。

それでも呼んでくださる勇者様は追記から。







#7『 D.C. 』

雨粒が反射して、小さな光が世界を照らしている。
濡れて色の変わった大地は、終わった戦いの跡を余計に悲しく、清々しく映し出していた。
しかし、そこにそこの国の市民の血は流れていない。皆が皆、気絶して、今は安らかに眠っている。空の灰は消え、蒼空はそんな彼らを笑うようにどこまでも、どこまでも綺麗だった。

「王政を廃止しなさい」

ここは、そんな国の一角。煉瓦の地面に聳え立つ、国の警官達が拠点としている建物。そこの?将軍?と呼ばれる人間に向けて、ナノハは微笑みながら訴えていた。将軍は俯いて冷や汗を掻いている。

「…またしても、君の力を借りることになってしまった。そのことに関してはきちんと詫びようと思う。しかしだ、しかしだな」
「今すぐに、廃止しなさい」

髭を生やした将軍は何とかナノハを説得させようと必死なのだが、ナノハは己の訴えを曲げようとする様子は無い。それどころか将軍が言葉を重ねる度、ナノハの怒りは溜まった。
表面上は全く変化無しなのだが、それが余計に怖い。

「王政はこれからこの国を豊かにするために必要な政策なのだ、曲げられない」
「でしたら反乱なんて起こる訳ないでしょう?
一度ならず二度までもそんなことが起きるのなら、どう転んでもあなた方の失態としか国民は見てくれません。それに…」

蒼い瞳が、将軍の眼を射抜く。蒼白した将軍は、政治の頂点に立つ者としての威厳が殆ど失われてしまっていた。ナノハは依然冷ややかな顔でそれを見た。そして、ゆっくりと言葉を続ける。

「その二度とも、政府と警察は国の外の、更に周囲からは魔王と呼ばれている私なんかに力を貸して貰ったなんて知ったら…。国の方々は一体どんな反応を見せてくださるんでしょうね?」

その言葉に、将軍は固まった。前回は兎も角、今回は管理局を通しての依頼だった。将軍は何とか自分が低いリスクで昇格する為に必死だった。その為、低い金でかなりの仕事をしてくれる悪魔に頼んだのが一度目だった。そして、再びの反乱でもその力を借りようとした将軍は何とか悪魔を探し出そうとしたのだが手がかりが皆無だった。そこで、将軍は管理局に捜索を依頼した。悪魔は何故か管理局では英雄扱いだった為、大した事態になることはなかったのだが、思わぬ場面で将軍の計画が狂う。

「しかし、だ…。貴様に内政干渉される筋合いなど…」
「あります。今すぐに廃止して下さい」

ナノハのその言葉と笑顔に、将軍は憤慨…、逆ギレした。

「う、煩い!貴様になにができる!
私が今まで築いてきた地位を嘗めるなよ!!管理局との交渉なんて幾らでも揉み消せるんだ!!そうだ…、王制にさえなれば、私は王の右腕として一生優雅な生活を送ることができるんだからな!!その為にあの屑の塊みたいな反乱軍や町人には、奴隷の如く朝から晩まで強制労働してりゃあいいんだよ!!!」

カチンッ。

「………」

無機質な音。ナノハは悪魔の微笑で、将軍の真っ青になっている顔を見下げた。
ナノハが左手に握っているもの。掌代のクリアな黒をした、それ。誰がどう見てもカセットテープだった。
将軍は、何も言えなくなる。冷や汗すら、止まっていた。

「今度は土下座されても力なんて貸しませんよ、将軍」

冷ややかな一言。
どっ、という音が響いて、交渉成立の合図を告げた。


* * *

蒼い空。白い雲。
流れる草木に、小鳥のさえずりが響き渡る。
花は揺れ、蝶は踊り、世界は美しく輝いて――

「チャージ完了!!行くよ!!」

美しく、散った。

「―~クーッ!巨大砲撃って気持ち良いよねー、やっぱり。あー、すっきりしたー」

空のような瞳。繊細な亜麻色の艶がある髪。
白地の軽装が目印の、自称魔王が放ったのは、憩いの森を衝動で崩しそうになる程の大きな砲撃。
向かれて打たれたのは、森ではなく彼女に従属する女性が張った結界な為に、森林破壊は免れていたが、鳥などの野生動物は皆一斉に逃げていってしまった。

「…………」

そして。何時もなら無言で、僅かに俯きながらナノハのことを睨む少女は今、呆けていた。
無言なのは何時もの事だが、それは何かを話すにもその気力すら抜き取られたからのように見える。
少し前なら今にでも逆上しそうだった少女は、そんな気配など微塵も見せずに、ナノハが二発目の砲撃を撃とうとしている様を呆然と眺めていた。

―『…ごめんね』

心音が、フェイトの脳裏に高く響く。同時に、雨の喧騒も。
それは背中に掛かる温かさと冷たさ。
惑わす優しさが、疑わせる過去が。
それが生んだのは、感情―

「英雄よ…」

フェイトの背後から隻影が揺れながら現れた。フェイトは踵を返して構えるが、それは全くと言って良いほど殺気など無く、威容でありながら華奢な見た目は何処にでも居そうな老人だった。

「又、足下は一つの国を救ってくれたな」

茶色の帽子にスーツを着こんだ、地味な特に印象の無い格好をした老人だったが、フェイトはこの老人が只の老人で無いことなど瞬時に見抜いた。
鳶色の眼がレンズ越しにフェイトを貫く。

「来援、感謝するぞ」
「そりゃどうも。菓子折りの一つでも持って来てくれれば充分ですよ」

威圧された空気の中で閑談が始まる。両者微笑みを崩さない。
フェイトはその微笑を見た時からこの話の内容とは全く違う思考になっていたが、そんなことは関係無しに二人の会話は続いた。

「何時もながら、見事な一蹴だった。お陰で我々もあの下らない争いの為に無駄に軍事力を削らないで済んだよ」
「その下らない争いの為に、私は態々遠くの社から飛ばされた訳ですか。白い悪魔も落ちたもんですね」
「勘違いしないで欲しいな。君は英雄だ。悪魔じゃない」

威厳に満ちた微笑み。何時も通りのナノハだった。
老人は足音を立てずに移動をすると、ナノハの前に立って懐に手を入れると、一枚の紙を取り出した。

「餞別だ。菓子ではないがな、謝礼として受け取ってほしい」
「…どうも。有り難く受け取らせて頂きますよ」

ナノハは大して中身も確認せずにそれを仕舞い込んだ。
老人は毅然としたまま、フェイトに向きを変える。

「君が…、」

老人が開口する。フェイトは我に帰り老人を注視した。老人はフェイトを凝視すると、顎に手を当てて薄気味悪く笑った。

「フェイト・テスタロッサ…、プレシア・テスタロッサの娘か…」

フェイトの瞳を鳶色が射抜く。
紅眼は決してそれを反らさない。頑強に、その瞳はそれを見ていた。

「そんなに構える必要はないさ。叔父さん、これでも一応正義の見方何だから」
「何故、私の名前を知っている」
「…可笑しな事を訊くね。決まっているじゃないか、後ろに居る英雄にだよ」

‐英雄‐は、老人に目を向けられると、然も不愉快そうな顔になった。
ナノハは老人に、余計な事を話すなと言わんばかりの目で返す。

「彼女には手を出さないで頂きたいですね」
「そりゃ、すまなかった。この仕事に就いていると、どうもね」
「貴殿方の都合なんて関係ないです。私はただ、聞きに来ただけですよ」

何をかは話さなかったが、老人には伝わったようだ。怪しげな微笑で再び懐に手を入れる。
取り出したのは一本のパイプ煙草だった。老人はそれに火を付けると、嫌そうな顔をするナノハを尻目に煙を吐き出す。

「大体の事は紙に書いてある通りさ、ただ…」

煙草の煙を成るべく吸わないように、フェイトは口を手で覆う。咳を一つ出した。
ナノハは無言で、老人の次の言葉を待つ。

「あんまし、深入りしないことだな」
「…私は、貴殿方管理局とは一切関係の無い一般市民ですよ。ただ少し協力を求めただけで、他は干渉される筋合いはありませんから」
「まるで餓鬼だな…、英雄よ。分かっているさ、貴様なら向かう所敵無しってコトくらいは」

フェイトには分からなかった。ナノハが関わろうとしていることも、老人の言う言葉の意味も。
フェイトは何一つ、ナノハのことなど分かっていなかった。

「で、だ。今回嬢ちゃんを呼んだ理由だが…」

フェイトは小さく俯いて、掌に力を籠めた。しかしその力は余りに弱々しく、そしてその中に僅かに込められた悔しさ意味をフェイトは理解出来なかった。
老人の言葉には反応を示さず、フェイトの焦点の合っていない眼はただ空を見つめていた。

「…プロジェクト・F、って知ってるか?」

その言葉に反応したのは、今まで傍観者としてその場に居た、レイだった。

「…何か知っているの?レイ」
「…昔に、少しだけ。余り思い出したくは無いんですけどね」

レイのごく僅かな反応にも、ナノハは見落とすことなく気付いた。
フェイトは何故か、先刻とは違う妙な悔しさに襲われた。

「なら思い出さない方が良いよ。
…それで、そのプロジェクト・Fとやらとフェイトちゃんと、一体どんな関係が?」
「いや…。本人が何も知らないのなら、それでいいんだ。関連があったのは、嬢ちゃんの母親の方だったからなあ」
「母さん、の…?」

フェイトがその言葉に反応を示すと、老人は煙草の煙を吐き出して笑った。
ナノハは嫌そうな顔になったが、老人は気にせずに続ける。

「プレシア・テスタロッサが開発したプロジェクトだ。世界で初めての、人工生命についての研究だった」
「人工生命…」

フェイトは老人の言葉をなぞった。何故母がそのような研究をする必要があったのか。
母が仕事と称して行っていた行動はその研究だったのか。
フェイトは疑問を抱えたままになる。そして、一つの答えを求めるべき問いが、上がる。

「そのプロジェクトについて、詳しく教えて下さい…」
「…まあ、そう来ると思ったよ。‐亡き母‐の手掛かりだものな、知りたくなるのは当然―」

亡き、母。老人は確かにそう言った。

「母が、死んでいる…!?」
「ああ。『例の事故』から数週間後、とある人物にそう知らされた」
「一体、誰が…」
「そのプロジェクトに関わっていたもう一人の人物…、リニスと名乗る女性だ」
「リニスが!?」

凡そ、五年前。フェイトの魔法の師だった女性。その女性の名が、リニスだった。
姉のような存在だったリニスだが、母と関係があっただなんて初耳であった。
いや、それより、そんなことより。
この老人の言葉が真実ならば、『リニスが母と共に、あの事故と共に自ら姿を消したのならば―』

「母と、…あの人は、」
「あ?」
「母と、アイツは…、無関係なんですか!!?」

フェイトの初めての、沢山の感情の篭った叫びだった。甲高いその声は、澄んでいて、しかしそれは決して美しくはない音だった。

「…全くの、無関係って訳じゃないよ。だから、今まで通り恨んでいてくれて構わない」
「お前には聞いてない!!」

悔しさが。濁りに濁り、無理やり汚した心が。
それが全て意味の無い足掻きだった。―いや、フェイトにとって、そんなことはどうだってよかった。

「私は…、私は…!!」

馬鹿みたいに関係の無い奴を追いかけて、飛び降りて、拾われて、無意味な奇襲を仕掛けて、

「私は…――」

彼女の優しさまで、温かさと思いやりまで、否定し続けていた。

「嬢ちゃん?一体どうした…」
「…もう少し早く止めるんだったなー…。誰かが勝手にペラペラ喋るから」
「はあ?」

少女の感情は止まらない。怒濤の如く轟くそれは、しかし静かにフェイトの心に舞い降りた。晴天の空も、曇る雨の淀む暗いものに見えてくる。眩暈までする。眼前が緑、赤、黒に染まった。
‐母の復習者‐?何処の誰かも分からない村人の言葉を鵜呑みにして、勝手に這いずり回っていただけじゃないか。結局、自分は寄りかかれる壁が欲しかっただけなんだ。

「…いいんだよ、別に」
「よくない!!いいわけ…ない…!」
「壁が…欲しいんでしょう?寄りかかれる壁、自分の行き場の無い感情をぶつける壁が」

そうだ、ずっと初めから。目の前にあることを信じようともせず、根拠の無い否定を続けて、

「私…、は」

ずっと彼女を、傷つけていた。

フェイトの拳に力が篭る。自分への怒り、悔しさ、卑下が、フェイトの心に圧し掛かった。
どうして気づかなかった。どうして分からなかった。彼女の微笑みに、悪がなかったなんて、初めから気づけた筈だ。彼女の周りの人間には、綺麗な心の持ち主しか居なかったのに、どうして、どうして。

「フェイトちゃん…」

―母が居なくなった時も、虐待に近い行為を受けても、辛くても苦しくても、決して流れることの無かった涙が、

「謝らなきゃいけないのは…、私の方じゃないか…」

大粒の雨のように、フェイトの頬を滑っていた。

フェイトはそれを拭おうともせず、上を向いて、晴天の空を仰いだ。
絶え間なく流れる水を、濁流のように押し寄せる怒りを、全てを、フェイトは呪った。

金色の翼、雷光の煌き。
それはフェイトの、逃げる手段。

地面に冷たく、一粒の雫が落下した。

煙が舞う。残っているのは涙の水溜りだけだった。
それは土の色を変え、悲しく陽光を受けて光っていた。

「全く…。散歩なら行き場くらい言ってくれても良いのにね」
「帰ってこねえんじゃねえのか?お前の拾いものにしては、珍しい輩だな」

煙草の白い煙と砂埃が混じる。フェイトは姿を消したことになるが、ナノハは心配する様子など見せない。
風が、ナノハの亜麻色の髪を揺らした。蒼の双眸は閉じられ、優艶な微笑は清雅でナノハを余計に妖美にさせた。

「でも…、良い子だよ。綺麗な心を持っている」
「…ああ、澄んだ心だ。大事にしたれよ、帰って来なかろうが、あんたにゃ関係ないことなんだろうからよ」

老人は爺臭く笑った。ナノハは目を薄く開いて、こちらは優雅に笑う。くるりと向きを変えたナノハは、レイに視線を流す。黒い髪は靡いて、緋色の瞳は輝いた。

「用、それだけでしたら私達は帰らせて頂きます。戦闘後なんで、疲れていますし」
「嘘付け…。いや、すまなかったな。これだけの為に呼び出しちまって」
「いえ、構いませんよ。どうせ暇でしたし、それに…」

ナノハは言葉を切った。言い迷った訳でもなく、ましてや次の言葉に惑った訳でも無い。一拍空けて、続けた。

「けじめ、付けさせてくれたんでしょう? ありがとうございます。でも、余計な御世話ですよ」
「煩え、そんなんじゃねえよ。餓鬼が」

ナノハは小さく一礼した。老人に背を向け、翼を現出させると飛揚して、それにレイが続く。桜色の翼は羽ばたいて、ナノハは蒼穹を滑翔した。老人のパイプの火種が消える。

「英雄よ…。残念だ」

煙草の余韻を感じている老人が小さく呟いた。消えた煙草に対しての言葉なのか、空の‐英雄‐に対しての言葉なのか、それとも他の何かに対してのものかは分からない。哀愁に満ちた顔が、‐英雄‐の居なくなった空を仰いだ。同時に樹が葉を擦れさせて音を奏でる。老人はそれをいつまでも、聴いていた。



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