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#4



七闇続きです。
次回から(多分)本番です。









轟音。

それは、自然が、神が生んだ災いだった。
幼い瞳は天を仰いだ。

何が起きているのか分からず、純朴な瞳は運命に直面し、傷付いた身体が痛くて泣いていた。

そんな少女は、後に目撃者となる事を知った。

#4『 あの空、大地 』

高層ビル。耳を貫く騒音。
人々は慌しく歩き、早口でやり取りする者、無言で俯き移動をする者と様々だった。
空はそれを見下ろし、蒼く清々しく晴れていた。

そんな空に、一つの桜色の点が生まれた。

点は見る見るとそのビルばかりの町に近づく。
それは生やした翼をはためかせ、空を見上げて満足げに笑う。

まるで、自分は世の神だと、下に居る人間を嘲笑うかのように。

「着いたよ、フェイトちゃん」

腕の中に居るのは、眉を寄せてそれを睨む少女、即ちフェイトだった。
それ…、即ちナノハは、その形相を可愛くないなと笑った。

「…自分で飛べる」

「だーめ。
フェイトちゃんの魔力は目立つから」

少女は赤子のようにナノハに抱かれ、唸っている。
反抗できようものならしたいのだが、如何せん打つ手が無いのだ。
打てたら、とっくに自分を抱いている存在を殺してこの場から消えている。

「主…。ぶつかりますよ」

レイが鈴を鳴らすように言った。
ナノハの目の前には、真っ白の翼を持った鳥が一羽、飛んでいた。

「ああ…、ありがと。
ほら、ぶつかったら死んじゃうよ?」

にこりと笑って、ナノハはその鳥を自らの魔力光で包んだ。
一瞬にして桜色に変わった鳥は、ひゅんとナノハの後ろに転移した。

鳥は何事も無かったかのように蒼空に消えていく。

「さってと。只今より着陸態勢に入ります。
準備は良いかな、フェイト補佐」

「誰が…!
って、うわあ!!」

ナノハは、翼を消した。
飛行手段を失ったナノハは、真っ逆さまに地上へ落下していく。
ナノハは、その風を気持ち良さそうに受けていた。

「あははっ。スリル満点だね」

下はコンクリートで固められた道路。
一歩間違えれば飛び散って死ぬ。

そして、地面との距離数センチにまで言った所で、ナノハは自身を光で包んだ。

「っ―…、」

ふわ、と勢いが弱まり、ナノハはそのまま足を地に着けた。
フェイトは高鳴った鼓動を抑え、冷や汗を拭いほっと息を吐いた。

「主…、無茶な落下は控えて下さい。周囲に目立ちます」

黒髪を靡かせ、その直ぐ横で普通に着地するレイ。彼女の魔法光は血のような赤だった。
レイはナノハのように翼で飛ぶのではなく、身を魔法で浮かせている。

「まあまあ、そう言わず。
エキサイトに生きてみると、案外楽しいよ?」

「左様で…」

そこは都市部から少し離れた商店街だった。
親子連れや寄り道をしている学生で溢れている。
そんな中、行き成り空から降って来た正体不明の三人組が目立たない筈は無く、周囲は混乱に生じていた。

「ちょっと騒々しいなあ。
黙ってくれないと、怒っちゃいそうだよ」

「冷静にして下さい、主。
此処を破壊してしまったら、警察や取材班で溢れ返り余計に煩くなるだけです」

「冗談だよ、分かってるって」

少し時が経つと、人々は何事も無かったように動き始める。
その様子は、まるで先刻の鳥のようだとナノハは笑った。

「降ろせ!もう良いだろう!」

「ああ、はいはい。ほら、慌てると危ないよ」

フェイトは半ば無理やりにナノハの腕から降りた。金髪が揺れる。
足にはナノハに強制的に履かされた、真っ白い靴が嵌められていた。サイズはピッタリだった。

「さて。それじゃあ、お昼まで遊び倒すよ」

時計は九時を指していた。
昼までにはかなりの猶予がある。

「ね、レイ。何か良い所無い?
三時間たっぷり遊べて、お昼も食べられる所」

「そうですね。遊園地などが良いのでは?」

「よし、決定。行くよ」

そこから遊園地までは然程距離は無く、歩いて十分も掛からない所にある。
つまり、レイは最短距離で着く場所を選んだだけだった。

しかし、付いて来ていない者が一人居た。

「ゆう、えんち?」

「あれ、知らないの?
そりゃ、ラッキーだったね。かなり楽しいから、行かないと損だよ」

田舎で育ったフェイトには聞きなれない単語だったらしく、訝しげにしながらも興味を示していた。
ナノハはそれを微笑みながら見ている。

「結構近いよね。いつもそうだけど、レイって距離で選んでるでしょ」

勿論、魔王には何でもお見通しらしい。
レイはそんな事はありませんよと引きつった顔で笑った。

「いーよ。レイが選んでくれたトコって、楽しい所ばっかだし」

純粋な笑顔。

フェイトには、そう見えた。




家族、カップル、子供。
微笑ましい光景が広がるそこは、沢山の人たちで溢れかえっていた。

「………」

皆、皆笑っている。
幸せそうに、笑っていた。

「先ずは何から乗ろっか。
絶叫?」

「ついさっき空から落ちたばかりでしょう…」

少女には、何もかもが新鮮だった。
回っている円状の、巨大な機会。くねくねと上空に張った、レールのような道。
七色の浮かぶ丸い何かを子供たちに配っている、布の人形。

「ほら、何突っ立てるの。行くよ」

細い指が、フェイトの手を引っ張った。
放せ、と叫んでも良かったのだが、その指から伝わった体温がそれを止めた。
それは、ナノハがしている純白の手袋から伝わった温かさだった。

三人は、とりあえず一番近くにあったコーヒーカップに乗ることにした。
三人といっても、ナノハが適当に選んだだけなのだが。

「んやー。適度な混み具合だね。
並ぶ必要も無いけど、閑古鳥が鳴く程では無い」

「主…、少し回し過ぎです」

「硬いこと言わない」

グルグルと回るカップに、フェイトは興味を増すばかりだった。
偶に我に返るのだが、その度にナノハが笑いかけて来るので狂う。

その後も繰り返しだった。

定番のコースを一通り乗り終えた三人は、締めと称して観覧車に乗っていた。

「天辺の景色は最高だよ?
普通に飛ぶのも気持ち良いけど、ガラス越しだとまた違う」

大体三分の一といった所まで登り、ナノハが呟く。
フェイトは黙って遠くなっていく大地を眺めていた。

「本当は夜が一番綺麗なんだけどね。
昼間の蒼穹も、悪くはないかな」

頂上の光景は、確かに綺麗だった。
紅い瞳は、何処までも広がる蒼い空を、吸い込むように見つめていた。

三時間は思っていたよりあっという間に過ぎて行った。
三人は食事を取ることにし、遊園地の中にあった、これも一番近いレストランに決めた。

「結構高いね。あんまり美味しそうじゃないのに」

メニューを開きつつナノハがぼやいた。
そこは、小さいとも広いとも言えない、しかし随分と洒落たレストランだった。

窓が壁の半分ほどを埋めていて、外には池や観葉植物が茂っている。
屋根の形に合わせた天井は、白く塗られて明るすぎない照明の光を受けていた。
テーブルは木製で、白いシーツと緑のカバーを被せられている。

染み一つ無いクッションが付いた椅子をガタガタさせながら、ナノハが店員に適当に選んだメニューをオーダーした。

暫くすると、ナポリタンにハンバーグ、ステーキといった定番メニューが運ばれて来た。
どれも、フェイトには馴染みのないものだった。
ただ、どれも美味しそうだということは、分かった。

「どれが良い?」

フェイトはステーキを食べた。
熱かったが、かなり美味しかった。

三人の皿が空になり、レイが席を立ち料金を払った。
ナノハとフェイトはデザートも食べ、フェイトは兎も角ナノハはかなり満足げだった。

店を出て、遊園地を後にした三人は都市部へ向かった。

「んー。何時見ても高いよね。
ウチの城も、上に大きくしてみる?」

「構いませんが、そうすると目立つから成るべく小さいものにしようと言っていたのは誰でしたか?」

「…よく覚えてたね。賞賛するよ」

細いビルが幾つか密接して、中心のビルを称えるように聳えている。
天辺は地から見上げると、まるで針のように細くなっていた。
それは青空の神を掌るかの如く構えていた。

「あれ…、なのはさん?
なのはさんじゃないですか!?」

高層ビルの下から出てきた、青い頭髪が印象的な少女が叫んだ。
緑の瞳は、見た目より幼ささを漂わせる純粋な輝きを持っていた。

「スバル…。良いタイミングだったね。
元気でやってた?」

「はい!また会えて嬉しいです」

満面の笑み。
ナノハのそれとは全く違ったその笑顔に、フェイトはたじろいだ。

「前に会ったのは一ヶ月前かな?
御免ね、前触れなくちょくちょくと」

「とんでもない!!
すっごく嬉しいですし、それにお礼もいっぱいいっぱいしたいんです!」

懸命に、スバルと呼ばれた少女は叫んだ。
煩いくらいだったが、その一言一言にナノハへ対する尊敬と感謝が感じられる。

「ありがと、スバル。
お仕事はもう終わったの?」

「はい。今日は午前まででした」

「そう…。ティアナは、今日は一緒じゃないの?」

「はい、今日は…」

スバルがビルの扉へと視線を向けた。

自動式の扉は、左右へ開いて中に居る人間を現した。

「なのはさん…!
お久しぶりです。お元気でしたか?」

「ギンガ!
久しぶりだね。そっちこそ、無茶してないでやってた?」

ギンガと呼ばれたその女性。
スバルよりも長髪だったが、色は同じだった。
瞳も同色でエメラルドグリーンをしている。彼女の方が年上のせいか、若干落ち着いて見えた。

「お姉ちゃん。早かったね、大丈夫だった?」

「ええ、問題無し。寧ろ良好よ」

「そっか」

人と人との温かい触れ合い。
何年振りに見た、光景だろうか。
少女は遠い目で、それを見ていた。

「丁度良いや、ギンガ。ちょっといいかな?
話しっていうか、用があるんだけど」

「用…ですか?
構いません、というか、寧ろ喜ばしいくらいなんですけど…。
珍しいですね、なのはさんが用だなんて」

柔らかい笑み。
何なんだ、この光景は。
少女は混乱し、吐き捨てたくなる。

「じゃ、レイ。ちょっと待っててね。
フェイトちゃんは、スバルと遊んでてよ。それじゃ」

「え、ちょ、なのはさん!?」

スバルの困惑を他所に、ナノハとギンガはビルの中に入っていった。

残された三人は、何とも気まずい雰囲気となる。

「あ~…。
七人目、だよね?」

「……」

フェイトにはスバルの言葉の意味が分からない。
何の数だか検討も付かなかったが、相手が困惑していることは良く分かった。

「名前は?
あたし、スバル。スバル・ナカジマ」

「フェイト、テスタロッサ」

「そっか、宜しくね。同い年かな?」

「………」

フェイトは無言になった。
スバルは盛大に困る。

「あ~…っと。
未だ日が経ってないのかな?
なのはさんに拾われた人は、皆大抵の人が心を許すもの何だけど…」

その言葉に、戸惑った笑いに、フェイトは何かが切れるのを感じた。

「彼奴は―!!」

「ふぇ!?」

「彼奴は、母さんの仇だ!!」

スバルは大変に、驚いた。
フェイトは憤慨している。しかし、その眼はやはり‐死んで‐いた。

「仇…って、なのはさんが?」

その瞳を見つめ、スバルはいぶかしみ首を傾げた。
フェイトは感情を爆発させ、制御が出来なくなっている。

「それ、多分…ううん、絶対誤解だよ。
なのはさんはああ見えて、凄く良い人なんだから」

「煩い!」

フェイトには、魔王が人を操っているようにしか見えなかった。

否、そう見ようとしていた。

魔王が人を笑わせている。
魔王が人を壊している。
そう思うことで、自分を保っていた。

「皆、騙されてるに決まってる!
あの悪魔に、騙されているんだ!!」

「……」

レイは開口しない。
興味無さげに見つめているだけ。

しかし、スバルは違った。

「…今、なのはさんが何してると思う?」

優しい笑顔。
フェイトはそれを睨み付け、敵視し続けた。

「多分、申請手続きだよ。
君のお母さんの、捜索の」

フェイトは衝撃を受けた。
しかし、まさかと吐き捨てる。

「彼奴は、悪魔だ…」

「残念、魔王だよ。
自称、だけど」

「違う!!」

金色の光。
スバルから見れば、かなりの強さを持った魔力だった。

「わあっ!
あぶ、危ないって!こんな街中で…!」

「皆、偽物だ…!化物なんだ!!」

「何言って…!
ちょ、本気!?」

スバルが防御の為に右腕を出そうとした所で、フェイトの魔法光が、消えた。

「ほーら二人ともー。
遊べとは言ったけど、誰も喧嘩しろとなんて言ってないよ?」

「なのはさん…!」

助かったと言わんばかりに、スバルは息を吐いた。
フェイトはかなり恐ろしい形相でナノハを睨む。
「早かったですね。
やっぱり、英雄の頼みですから本部も最優先にしてくれたんじゃないですか?」

「魔王の頼み、だからね。
最優先には行かないまでも、成るべく優先してみるってさ」

「なのはさん、人気者だったわよ。握手までねだられたんだから」

「あはは、やっぱり」

魔法光が消え、空になった右の掌が何も掴めず空を切った。

レイは黙って、フェイトを眺めている。
血のような、紅い瞳だった。

「さて。用も済んだし、おいとするよ」

「え、もうですか?」

「うん。あんまり付き合わせても悪いしね」

「だからそんなことないですって。もっとお話したいです。
それに…」

スバルはフェイトを一瞥した。
無言で俯いているその少女を、スバルは哀れみでも同情でもない、複雑な眼で見る。

「説得…、したいです」
「…大丈夫。心配しなくても、私がするから」

「でも…!」

スバルの言葉を、ギンガが遮る。

「それに、あんたは仕事終わったらティアナと会う約束あるんじゃなかったたけ?」

「お姉ちゃん…。
そう、何だけど…」

「生涯の友を疎かにするなんて、お姉ちゃん許さないぞ」

スバルは唸りつつも、渋々頷いた。
ナノハは微笑み、ギンガに礼を言うと踵を返す。
「それじゃあね、二人とも。
スバル…。また直ぐに会えるよ。それまで、笑顔でいないとお仕置きね」
「はい…、なのはさん」
その背中は、スバルが五年前に見たものと変わらない、威厳と誇りに満ちた姿だった。

スバルは、翼を広げフェイトを抱えて遠くなっていくナノハを見つつ、その時の事を密かに思い返していた。

自分の胸の中にある、確かな光。
《魔王》がくれた、勇気と希望。

今も、彼女は救っている。

運命と云う名の、どうしようもない悲劇から。

自分の様な弱くて狡い人間を。

―スバルはそっと眼を閉じて、胸の前で拳を握った。

空は、彼女を優しく包んでいる。

もう、恐い空じゃ無い。
悲しい空でも、辛い空でも無い、優しい空。

背中を押してくれる、強い空。


「―頑張って下さい。なのはさん」

どうか、あの哀しい眼をした少女を、救って下さい。

スバルは只、願っていた。



* * *


「暇」

一人の純粋な少女の願いを他所に、ナノハはそんな事を愚痴っていた。

「口よりも手を動かして下さい。主」

「あと幾つ?」

「9156機です」

「1万機とかおかしいでしょ!死ぬって!」

戦地に、二人は居た。

乾いた大地に岩が転がり、草一つ生えていないそこには、幾つもの戦闘機で埋め尽くされている。
ナノハは空に浮かび、レイのサポートを受けてその機械の銃口を消していた。

「生活の為だと勇んでいたのは主の方でしょう…」

「こんなに地味だとは思わなかったの!
あの将軍…、私に嘘八百述べようなんて良い度胸してるよ」

桜色の魔法光が右手を纏う。
煌めくそれは、ナノハが振ると一斉に散り、ナノハの思い通りに針の糸を通すが如く銃口に命中した。

序のようにタイヤも消して、動けなくする。

「あー、もう。全部消したい!」

「私達の目的は、あくまで鎮圧です。
無駄な犠牲は出さずに治安を保たせて欲しいとのことなので、負傷者は零が望ましいかと」

「はいはい…。政府の無茶頼みね、全く…。そんなこと位自分達で遣れば良いのに…」

一つ、また一つと戦闘機はその意味を果たせなくなっていく。

反撃も、弾が全て消されるので無意味。

反乱軍は神を呪った。

「そんなことになったら、私達の食費や、貴女の遊興費が無くなります」
「ああ、それは困るかな」

悪魔だ、悪魔だ。
軍は嘆く。

しかし、嘆けるという事の意味を、彼らは分かっていない。

「あと幾つ?」

「4256機です」

「よっし、ラスト半分。優雅に終わらせようか」
舞った。

それが下界の人間の眼に映される頃には、機体は全て使い物にならなくなっていた。

そこには、鉄の残骸と戦意を失った軍隊が、残った。

「…見事です、主」

「どうも。未々余裕だけどね」

彼らは悔しさに涙を流した。

涙を流せると云うことの意味を、彼らは知らない。





「幾ら?」

悪魔、自称魔王は陽気に微笑んだ。

依頼主の髭を生やした中年将軍は、たじろぎながら答える。

「本当に君が…、全部一人でやったのか?」

「はい。一人も殺さず、兵器のみ壊してあります。後は貴殿方の仕事です」

「信じられん…、一体どの様な奇蹟を巻き起こしたんだ…!」

「この世にあるのは、事後の事実だけです。
奇蹟何てものは存在しませんよ。
で、幾らですか?」

将軍は質問に答えない。そんなことはどうでも言いと言っているような顔だった。

「君の噂は良く聞いていたが…、正直お伽噺程度の感覚で受け止めていた…。甘かったよ」
「あのー、幾らですか?」
「是非内の部隊へ入ることをお勧めしたい。それなりの待遇は約束しよう」
「お断りします。幾らですか?」

将軍は構わず話を続ける。
手続き云々書類だ云々、九官鳥のように喋るそれが喧しかったのか、ナノハは静かに言い放った。

「…次は向こう側に付くことだって出来るんですよ、将軍」
「……これで、どうだ?悪くない金額だろう」

桜色の右手から溢れる魔法光を横目に、彼は一枚の紙を渡す。
そこには大体ナノハが引き受けた仕事に相応しい金額が書かれていた。

「毎度あり」
「はは…」

綺麗に金だけ持って行ったナノハは、もう二度とその町の政府に干渉するつもりは無かった。
その、つもりだった。

青く果てしなく広がる空に、桜色の翼が舞う。

その様子を、先程遣られた反乱軍は静かに見守り、そして静かに、敬礼した。


「―きっと今頃、武力じゃ何にも解決出来ないからとか、ほざいてるんだろうな…」
「何か、仰いましたか?主」

「何にも」

微笑みは枯れない。
その様子を、フェイトは黙って、‐死んだ‐目で見ていた。


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