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#2


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本日の戦利品です。
百合姫S開くまで俺は死神アリス続編が載っていると思っていました。
ばかっ、おれのばかっ!でも今回の短編もGJだった。流石です先生。

そんなことより。
思わずジャケット買いしていました右のCD。
思いっきり隠れていますが、リインがビックになっていたwww
ヴィータと同じくらいだったwヴィータ涙目wwww


…はい、流石にあの変なギャグ一本では三連休の終日に相応しくないので、パラレル続きです。
追記よりどうぞ。







神は何時だって酷なもの。
分かってはいても、納得なんて出来ない。

滑り落ちる光を追いかけている内に、周りには闇しか残っていなかった。
そんなもの。

世界は、そういう風に出来ているから。

都合の良いようになんてならない。
幸せの分だけ、悲しみがやって来る。

法則?

違うよ。


何だと思う?

当ててみなよ。
正解を知るのは、それからでも遅くない。

時間はあるから、ゆっくり考えてみて。

…そうだね。
とりあえず、その身が朽ち果てるまで考え続けてみなよ。



そしたら自ずと、
答えに気づいているかもね。






#2『穢れを、強さを、』




妖艶な微笑が紅い瞳を染めた。
震える指先、唇、心臓。

純白の装飾は、そんな少女を嘲笑うかの様に揺れている。

海原の上空に佇む、二つの影。
この世の鍵。

仮初のそれは、何も知らず只、世界の飾りとなっていた。




鳴り響くのは、誰なのか。

誰も知らず、
知る由も無かった。


「…―白」

吐息が発した声は、消え入ってしまう直前の小さなものだった。
確かめるように、なぞるように。

それでも、掴んだものを放さないように。

少女は祈った。
何をかは、少女にも分からない。



少女は只、祈っていた。

「白?
…ああ、服?」

恐怖からなのか、瞳孔が縮小した少女を見ながら、ナノハは二度目の言葉を発した。
少女は応えない。

「ね、そんなことよりさ。
質問に答えてくれる?」

壊れかけの人形。
そんな表現が相応しいとも思えてくる。
硝子の御人形は、壊れた螺子を回そうと必死だ。

「…みつ、けた…」

それでもやはり、届くことは無かった。
伸ばした腕は、糸が切れたように垂れ下がった。

「あれ…。
気、失っちゃった…。詰まんないの」

溜め息を吐き、愚痴のような言葉を溢しながら、しかしそれでも彼女は微笑を崩さなかった。

それは、見るものを引き込ませる力を持ち、又人々と隔離する力を持っていた。

何処までも悲しく、何処までも尊い微笑は、何よりも、美しかった。

「レイ、苛められたりしてないかなー。
私以外の人にはあんまり懐かないからなー」

桜色の翼をはためかせ、ナノハは己の従者の元へ向かっていった。

彼女の抱えている少女の傷は決して軽いものでは無いのだが、治らない程でも無かった。

急いで治療に取り掛かれば、直ぐに健康体になれるだろう。

「シャマルさんならあっという間かな。
頼んどいて正解だった」
ナノハは腕の中にある、クレープの代わりの報酬を眺めながら独り言を言っていた。

少女の寝顔は、いや、気絶している顔は、つい先刻に自殺を決意したなんて思えない程安らかなものだった。

風が、少女の金髪を揺らす。

「さて、もう直ぐ着くかな。
それまで死んじゃ駄目だよ?
もし死んじゃったら、このまま地面に真っ逆さまで、飛び散った肉は餓えた獣達の餌になるっていう悲惨な末路を送ることになるからね?」

物騒なブラックジョークにも、少女は反応を示さない。
気を失っているので、当然と云えば当然なのだが、ナノハは然も詰まらなそうな顔を見せた。

「…貴女は…。
人の家の真上で、何変な事言っているんですか…」

「あ、シャマルさん。
良かった。レイに殺されかけられませんでしたか?」

爽やかな笑顔で告げるナノハに、シャマルと呼ばれた女性は呆れとも取れる様な溜め息を吐いた。
勿論ナノハは気になど止めず、只己の為したい事を実行するだけ。

「早速だけどシャマルさん。
この子、治してくれない?
報酬はレイの手作りケーキで」

ナノハは弱った少女をシャマルに差し出した。
シャマルは軽く少女を診察し、小さく頷きながら微笑した。

「貴女のケーキなら、考えてあげても良いわよ?」

「ええ、構いませんよ。飛びっきりのやつをご馳走します」

ナノハも、それに合わせて小さく笑った。

短い沈黙が、三人を包んだ。

「…なんて、冗談よ。
良いわよ、お礼なんて。
寧ろ…。まだ、此方の恩も返しきれていないんですから。

貴女の頼みなら、何でも聞くと、主も言っています」

先程の、挑発的な笑みとは打って変わった、柔らかな笑顔だった。
しかし、彼女の口から主という言葉が出てきた瞬間に、ナノハは顔をしかめた。

「んー…。
やっぱり恩人としてしか、見られてないのかなー」

「え?」

「ま、いっか。

そんな事より、シャマルさん。
この子、頼みましたよ」
桜色の光に包まれた少女が宙に浮かぶ。
気絶をしている少女は、それの動きに身を任せる事しか出来ず、安定出来ずにいる。

「ええ、お受け致します。
皆中に居ますから、上がっていて下さい」

「そうします。レイも気掛かりですし」

金髪の少女をシャマルに託したナノハは、下に向かって飛んでいった。

空には、緑色を主とした装飾を纏った女性と少女が、残された。

* * *


そこは、深い森の中にひっそりと在る建造物だった。

周囲は鬱蒼とした木々に囲まれていたが、その家の周りだけは良く手入れがされ、花や草が繁っていた。

壁や窓等を見たところ、極普通の何処にでもありそうな只の一軒家で、違った点と云えば、建っている場所くらい。

洗濯物が複数干されている所を見ると、どうやら住人は一般にある家族程度で、つまり四五人。

燦々と照りつける太陽の光を浴び、水撒きされた草植物が反射していた。
「お邪魔しまーす」

「ああ、なのはちゃん。 意外と早かったなあ。
どうぞ、入って入って」
その家の住人の一人が、顔を出した。

歳は十代後半。ナノハとは余り変わらない様に見える。
頭髪は肩に少し掛かるくらいで、黒みを帯びた赤黄色。ヘアピンを幾つか付けていた。

瞳は藍色に近い青。
エプロン姿のその女性は、何処かなのはに似た、しかし決定的に違う何かを持っていた。

「はやてちゃんだけ?
シャマルさんはさっき見たけど…。シグナムさんとヴィータちゃんは?」
「シグナムは二階や。
ヴィータはザフィーラと散歩に出掛けとるで」

はやてと呼ばれたその女性は、台所に向かい、紅茶を煎れ始めた。

彼女はなのはの好みは良く知っているので、茶葉や温度も迷う事なくこなしていた。

「レイは?」

「丁度今洗剤切らしてもうたんで、買いに行って貰っとるよ。
五分もせん内に戻って来ると思う」

「ふーん…」

辺りは湯を沸かす音と、少し開いた窓から入る微風の音のみとなった。

しかし、気まずいと云う雰囲気では決して無く、心地よい、静かな音楽の様な安らかな時間だった。

「…退屈やったら、テレビでも点けたらどうや?」

「そうだね…。
でも、テレビよりもはやてちゃん眺めてる方が楽しいから、いいや」

「そらおおきに。ウチもなのはちゃん眺めとると楽しいよ」

「ふふっ…。
やっぱり、はやてちゃんには敵わないよ」

ピー、と音を立てお湯が沸いた。

はやては栓を占め、中身をポットに注いだ。

紅茶の香りが広がり、二人の鼻腔を擽った。

「なのはちゃんは…」

そんな中、はやてがポツリと呟いた。

聞こえるか聞こえないかギリギリの声であったが、ナノハにはしっかりと届いていた。

「なに?」

「…いや、何でもあらへん。ごめんな」

「どうしたの?
はやてちゃんらしくないね」

微笑みは決して崩されない。
ナノハは少し考えた様な素振りを見せた後、更に言葉を続けた。

「もしかして、二人きりだから、緊張しちゃった?」

冗談めかした口調だったが、はやては少し真剣な目をしていた。

少々俯きながらも、彼女はそれに小さく答えた。
「ああ…。
そうなのかも、しれへんな…」

「……はやてちゃん…」
「ウチ、今ちょっと変なのかもしれん…。

堪忍してな…」

「…はやてちゃんってさー…」

「何や?」

「はやてちゃんって、たまにすっごく可愛くなるよね」

「……」

ナノハが雰囲気をぶち壊したその時だった。

けたたましい勢いで、はやての家のドアが、壁が貫かれた。

「主!
やっと戻ってこらしたのですか!」

「レイ!
御免ね、待たせちゃって。寂しくなかった」

主従の再開が果たされた。

瓦礫の上で、二人は熱い抱擁を交わした。
但し、ナノハが一方的に抱き締めているだけだが。

「魔力、大丈夫?
今すぐ補給してあげるからね」

「はい。お願いします…」

至近距離で暫し見つめ合った後、二人は唇を重ねた。

勿論、はやては二人の側に居る。
唖然と、しかし慣れた様子でそれを眺めていた。
「…なあ。そろそろ、キスで魔力補給するの、止めにしてくれへんか?
見てるこっちが恥ずかしゅうなるんやけど…」

「ん?なに、はやてちゃん、レイに嫉妬?」

「そういう訳ちゃうんやけど…」

二人の間には、主従であり姉妹のような関係しかない。

レイは兎も角、なのははそうだった。
はやてもそれは重々承知しており、理解もしていた。

しかし、だからといって目の前で急にキスをされれば、抵抗が無い訳では無かった。

抵抗と云うよりかは、只恥ずかしいだけなのだが。

「冗談だよ。
でも、止めない」

「せやろうな…。そう言うと思っとったよ」

「だったら、はやてちゃんが恥ずかしいと思えなくなるくらい、私がはやてちゃんにキスしてあげよっか?」

「遠慮しとくわ。
あんたんとこのペットに引き裂かれそうやし」

「ペットではありません。従者です」

「似たようなもんやと思うけどな、ウチは」

レイは少しはやてを睨んだ後、買ってきた洗剤をはやてに渡した。

水色の洗濯用洗剤だ。
ナノハもはやても、この洗剤を愛用している。

「おおきに。
紅茶出来たから、二人とも瓦礫をどうにかして、座っといてくれる?」

「りょーかい」

ナノハが、右腕を宙に上げた。

桜色の魔力光が、それを中心に集まって行く。
明るい色の、悲壮の溢れた光だった。

微笑したまま、ナノハはそれを瓦礫に向かって降り下ろした。
すると、一瞬の内にしてその残骸は原型を取り戻し、新品同然の綺麗な物に変貌した。

「修復完了、っと」

「主…。
あの程度の魔法でしたら、私が…」

「まあ、偶には使わないと衰えそうだし」

ナノハは自らが修復した椅子に腰を下ろした。
テーブルに煎れたての紅茶が置かれた。
熱々のそれは、穏やかに水蒸気を揺らしている。
赤褐色の液体は静かに波を立て、純白のカップを彩っていた。

「あ…。
せや、なのはちゃん。
クッキーあるけど、食べる?」

「手作り?」

「勿論。
クレープのお礼や」

木製の戸棚からカップと同色の皿を取り出し、紙ナプキンを被せてクッキーを十数枚ほど乗せた。
プレーンのクッキーだったが、程よい焼き具合のそれは見る者の食欲を誘った。

「美味しかったでしょ、クレープ」

「ああ。特にクリームが絶品やった。
まあ幾ら美味しゅうても、なのはちゃんの菓子には敵わんけどな」

「そう言って貰えると光栄だよ。
私ははやてちゃんのお菓子が一番好きだけどね」
クッキーの皿がテーブルに置かれた。
ナノハは紅茶を一口啜り、満足気な顔を見せた。
レイの紅茶とは少し違う味の良さだった。
口腔で広がるそれは、ナノハを大変に満たしてくれた。

「そう言えば…。
なのはちゃんのここにきた目的って何やったんや?」

「はやてちゃんに会いたかっただけだよ」

「嘘やろ」

「うん。嘘だよ」

ナノハは金色の紋様が入れられた白いソーサーにカップを戻した。

妖艶な微笑はそのまま、ナノハはクッキーを一つ摘まみ口に含んだ。

「拾ったものを直して貰おうと思ってね」

「…七人目?」

「そうなるかな。自ら壊れようとしてるのを拾ったのは、四人目だよ」

ナノハのその言葉に、レイが僅かに反応したが、直ぐに無表情になった。
「嫌な、世の中やなあ…」

「そう?
私は、面白いと思うけど」

はやては少し悲しそうな目になったが、なのはの言葉に微かに笑った。

「で、その拾い物は何処や?
まさか野放しにしとる訳ちゃうやろな」

「シャマルさんに預けたよ。
そろそろ、来ても良い頃だけど」

湯気が大分引いてきた紅茶を眺め、ナノハは例の金髪の少女の事を思い出していた。

綺麗な髪と瞳だった。
そして何よりも、澄んだ魔法光だった。

印象と云えばそれくらいの、他は只のみすぼらしい少女だったが、ナノハはその子を拾った。

ガラクタなら、捨てるだけ。
当たりなら、使うだけ。
「…なあ。なのはちゃん…」

「んー?」

「ウチは…、なのはちゃんが拾ったぎょうざんおる人間の内で…。
外れやったか?当たりやったか?」

未だ台所に居るはやては、蛇口から流れ出る水の音に合わせてそう言った。

辺りが少し静かになる。洗剤を付けられたスポンジは、泡を立てながら皿を洗っていた。

「…外れだったら、こんな家を用意なんてしてないよ。
でも…、」

カチャン、とカップが置かれた。
中身は既に無くなってしまっていた。

ナノハは短く息を吐き出し、続けた。

「当たりだったら、引き込んでる。
そう言った意味では、ちょっと勿体無かったかな」

「何なんや…、それ」

「ね、はやてちゃん…。
はやてちゃんは今、幸せ?」

「………」

レイの分の、手を付けられていない紅茶の水面が揺れた。
はやては押し黙る様に僅の間無言だったが、応えた。

「…幸せ、やよ。
笑えるから…な」

「そう…。
なら、それで良いよ」

ナノハが目を細めた。
それとほぼ同じくらいの時、レイが眉を小さく寄せ、誰にも聞こえない程度に歯軋りをした。

「レイ…。
紅茶、冷めちゃうよ?」
「……はい」

レイが、細く白い指をカップの柄に伸ばそうとした時、リビングのドアが開かれた。

「なのはちゃん。治療、済んだわよ」

「シャマル…か。
遅かったなあ。余程の重症か罹病やったんか?」

「いいえ、軽い栄養失調でした。
ただ、傷の方が全身に渡って、打撲から切り傷、魔法による痛打も幾つか見られて…」

「全部治したんやろな?」

「勿論。他でもないなのはちゃんの頼みでしたから」

「ありがとうね、シャマルさん」

なのはは微笑みながら礼を言った。
それにシャマルは滅相も無いと言わんばかりの様子で戸惑いながら笑い返した。

「少しでも、どんなことでも、全力でやらせて頂きます。
その位の事しか出来ませんから…」

シャマルの言葉に、はやてとレイは無言で反応した。
はやては皿を洗う手を止め、レイは微かに手を握った。

「さってと…。
それじゃあ用事も済んだし、そろそろ帰ろうかな。
何か、頼むだけ頼んで、お茶して帰るって言うのもあれなんだけど…」

「構わへんて。
また何時でも遊びに来てな」

「ありがとう、はやてちゃん。
レイ。貰ったものは残さず頂きなさい」

ナノハは紅茶を見ながら言った。
湯気は消えてしまっているが、レイは静かにそれを手にとり一気に飲み干した。

「ん。良い飲みっぷりやな、レイジングハート。見直したわ」

「貴方に…、見直される筋合いなどありません」
「こら、レイ。
失礼だよ」

「くくっ…。
良いんやよなのはちゃん。レイジングハートは正しい事しか言わへん」

ナノハは懐から真っ白いシルクの布を取り出し、レイの口許を拭った。

はやては洗い物を終え、クリーム色の布タオルで手の水気を拭った。

「さて。
皿洗いも終わったし。
シャマル、なのはちゃん送って、序に洗濯物取り込むから手伝ってくれる?」

「はい。勿論です」

「ヴィータもそろそろ帰って来るころやから、夕飯の支度…」

はやてが良い掛けた丁度その時。
勢い良く扉が開いた。

「はやて、ただいまっ」
「お、噂をすれば。
お帰り、ヴィータ。ご飯まだやから、もうちょっと待っててな」

「うんっ……て、な、な、ナノハ!?
何でお前が此処に!」

御下げで赤髪の、ヴィータと呼ばれた少女は、ナノハを見るなり表情を崩して叫んだ。

ナノハはその様子を楽しそうに見ている。

「残念、もう帰るとこだよ。寂しい?」

「ばっ、誰が寂しいもんか! すっげー嬉しいっつーの!」

はやては笑いながら、シャマルは困った様子で、レイは忌々しそうにそれを見ていた。

「あー、酷いなあ。
私はヴィータちゃんと遊べなくって寂しいのになー」

「知るか阿呆!早く帰れよ!」

「ヴィータ、言い過ぎや。食後のアイス抜きにするで」

「嫌だ!食う!」

「せやったら、なのはちゃんの見送りするから来るんや」

「え~…」

「アイス」

「う…」

ヴィータは渋々ながらも納得したようで、はやての後に付いて行った。

そして、リビングにいた全員がそこから去った。
空になったカップが、テーブルの上に残され、夕陽を浴びて光っていた。

「へえ…。
随分と小綺麗になった物だね。ビックリだよ」

「でしょ?」

そこには、ナノハが拾った当時の姿とはかなり変容した、金髪の少女が眠っていた。

少女はまるで死んでしまっているかのように動かなかった。

しかし、少女の心臓はしっかりと音を刻んでいた。

「これ、誰?」

「七人目、やと」

「ふーん…」

ベッドに寝かされている少女の背中に腕を通したナノハは、それを軽々と持ち上げた。

レイは自分が持つと提案したが、ナノハに首を横に降られたので素直に諦めた。

そして、一同は医療室から出て、洗濯物が干されている庭に集まった。

「それじゃあ、お邪魔しました。
行くよ、レイ」

「はい、主」

「またな、なのはちゃん」

「うん、はやてちゃん。 シャマルさんとヴィータちゃんも」

シャマルはそれに応え、微笑み、ヴィータは赤くなりつつも軽く睨んだ。
ナノハは小さく笑うと、桜色の光の翼を広げた。
光塵が舞う。
煌めくそれは、夕陽を背に燃えていた。

レイもそれに続き、魔光の羽根を顕現させた。

レイは小さく会釈を、ナノハは微笑を残し、その場から去って行った。

そして、後塵だけがその場に残った。






―桜色に、血のような紅い夕焼けが加わり、何とも言えない彩を生み出していた。
悲愴と、優艶さを併せ持つ色だった。

何処までも悲しく、何処までも尊い微笑は、何よりも、美しかった。

崩されない、崩さない

自らにそう誓い、破らずにここまで来た。
根拠の無い、『大丈夫』は、

彼女の幼少期と、全く持って、何も変わっていなかった。



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